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FXライター角野實さんにコラムを投稿いただきました。現在はセミリタイアしており、栃木県で記事執筆活動や投資顧問会社をされているようです。
今回はFXのテクニカル分析について、コラムを投稿していただきました。
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FXのテクニカル分析は本当に未来を予測できるか?
テクニカル分析って本当にすごいですよね。あなたが超ド新人のころ、チャートをみてこれで値段の未来がわかるなんて信じられない、と誰しもが思ったことでしょう。それが、テクニカル分析を使えばわかるようになる。
たとえば、ボリンジャーバンド、これをみたら今、値段がどの位置にいてどうすればよいのか教えてくれます。RSIはその数字をみただけで売られ過ぎ、買われ過ぎがわかります。
今回はそのテクニカル分析の話をしていきましょう。
テクニカル分析、実はあまりすごくない?
みなさんがFXのチャートを見て、これで未来の値段なんかがわかるわけがない、と感じた方はほとんどになると思います。でも、テクニカル分析というツールを使うとだいたい、値段が今後どのように動くかを想像できるようになった感激を覚えている方は多いと思います。
その感動が、みなさん、現在でも続いていることが、いま、こうやってテクニカル分析が隆盛なことでも証明できると思います。
それと同じようなことが、この21世紀になってからもさまざまなことが起こっています。たとえば、みなさんもお聞きになったことがあると思いますが、ビックデータ分析というものです。
ビックデータというのはあらゆる数字のデータを集積し、それを分析することによって未来を予想することです。たとえば、お店の売り上げはさまざまなデータを集めて、それを解析することによってその最適な売れ筋商品の投入や陳列棚の配置の仕方を指示してくれる、と一般的には言われます。
こうすることによって、実際にお店の売り上げが増えたことから、ビックデータ解析というのが時代の本流になったのです。今や、データを扱えない人、企業は時代に取り残されるとまで言われています。
でも、少し考えてください。
みなさんがテクニカル分析を覚えて、最初はチャートを見てまったく、売り、買いがわからなくて困ったときのテクニカル分析というのは救世主のような存在でもありました。
これで、何もわからなかった自分でもFXマーケットという場所で不労所得を得られると感じたことでしょう。
このビックデータの解析も一緒のことです。やっていることは何も目新しいことではなく、今までパソコンなどの処理能力が遅かったので、単に数字の解析ができなかっただけの話です。今や、パソコンの演算処理速度がムーアの法則によって加速度的に早くなったから大量に数字の解析ができるだけになっただけの話です。
テクニカル分析の場合、みなさんはそれをマスターしたときにこれで、私も専業トレーダーの仲間入りだと小躍りしたことでしょう。でも、そう思ったあなたは、その結果をみてどう思いましたか? 相変わらずの収支マイナス、儲けてもやってもやらなくてもほとんど結果は出ないという、結果に過半の人はなっているはずです。
では、ビックデータ解析の結末も私が言わなくても、だいたいどうなるか、おわかりになりますよね。将来を的確に予想することなんかできず、何もないころよりも未来の予測がある程度可能になっただけの話です。
おそらく、近い将来にテクニカル分析もビックデータ分析も、大した役に立たない、という論調になってくることでしょう。なぜなら、みなさんは数字が「未来な正確な」予想をはじきだしてくれると期待しているのでしょう。でも、結果はさんざんなのです。
数字分析の勘違い
世の中、科学流行りで「数字信奉」もここに極めり、ということになっているのが現在の時代の特徴です。つまり、何かを証明するのにしても数字での背景がないとそれは証明ではなく、単なる自分のカンということで片づけられてしまうような時代になってしまいました。
たとえば、言葉で状況を説明するよりも、数字で説明をしたほうが、科学的だと言われます。気温が高いと言われても、それを言葉で表現しても、言っている意味は伝わりません。気温35度というと猛暑と誰しもが感じるようになります。
でもそれが、正しい感覚なのか、よく考えてください。平均気温35度で暮らしている人に35度が暑いと感じるかといえば違います。35度が平均気温の人にとっては特段なんともない、温度ですが、気温20度で暮らしている人にとっては猛暑になることは当然です。
このように数字を信奉しすぎると前提条件の違いによって人間は、感じ方が全く違うのに、数字で表現をすると、それがすべて正しいと勘違いしてしまっているだけの話です。
数字は合理性や客観性を担保していると考えている人は過半ですが、上記の例からもわかるように、ちっとも数字は合理性や客観性を担保などしていません。単に、言葉よりも数字のほうが客観性を担保しているだけの話であって、数字が絶対などということはあり得ないのです。
ところが実際あなたはどうですか? テクニカルは万能と思っていませんか? ビックデータは私たちの未来を変えますか? AIは豊かな暮らしを提供しますか?
それはあなた自身が一番よくわかっているはずです。テクニカル分析を始めて、あなたのトレーダーとしての成績が向上した人はほんのわずかでしょう。成績は変わらないけど、自分のスキルは上昇したと勘違いしているだけの話です。
数字は未来を予測できない
たとえば、テクニカル分析での勝率はシステムを組んで優秀なものでも50パーセントを超えればかなり優秀になります。大抵の場合は勝率30パーセントを超えるか、超えないかのレベルのシステムがほとんどになります。
考えてみてください。コイントスでさえ、回数を重ねれば、その正答率は大数の法則によって誰でも50パーセントに収れんします。ところが相場のテクニカルは一生懸命やっても、その確率がようやく50パーセントの確率なのです。だったら、売り、買いの二択なんだから適当にやればいいのです。その確率と変わらないのです。勉強してテクニカルなんかやっても無駄な努力です。
テクニカル分析をする理由
テクニカル分析をやると、みなさん、未来の価格がわかるようになると思って一生懸命勉強します。でも結果は適当にやった結果より悪いことは上記で書いた通りです。
そういうことを知っているシステムトレーダーでもさらにそのテクニカルの分析の質を上げようと思って、さらに研究をします。
おわかりになると思いますが、そんなのやっても、やらなくても、適当にやったほうが確率は上昇するのですから、やらない方がいいのに、なぜか、みなさんさらにテクニカル分析もAIの研究も、ビックデータ解析もやります。
その理由は簡単で、人間はやったことに対して報酬が欲しいということだけです。苦労して、やったことに対して金銭の報酬や、よくがんばったね、という一言の報酬が欲しいからやっているだけなのです。
でも、結果はほとんどの人にとっては変わらないのです。数字で分析したことの帰結は。上記の説明をみても、上記の説明に当てはまる人がほとんどになると思います。ですから、ビックデータやAIの帰結も、結局は「以前よりも便利になったな」という帰結になると思います。ただし、その数字に対して、結果を求める人にとっては、結果は出ると思います。
つまり数字というテクニカル分析は数字の扱い方を知らない人に与えてもそれば単なる宝の持ち腐れとなり、結果など何も出ない、という帰結になることが過半なのです。それを結果も出もしないのに、数字信奉が止まらない、という世の中になっているのです。
これが本当の数字分析の正体であり、その帰結なのです。あなた自身が本当は、テクニカル分析をやってもやらなくても変わらないといことを本当は知っているのだけど、それに気づかないフリをしているのではないのですか? それとも本当に気づいていないだけですか?
続編があれば数字についての説明を、今後も説明していき、数字に対しての正しい知識を身に着けてほしいと思います。
私とは考え方が違いますが、このような意見もあるんですね。
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