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なぜ為替は上げ下げをしながら進んでいくのかを簡単に説明します。
理屈は株価と同じで、人気のある株はみんなが買いたい、買いたい人が多ければ価格は上がる。反対に売りたい人が多ければ買い手がつかずに価値は下がる、これと同じです。
為替は売買をこなして価格が決まっていきます。売買をこなしているので上記のチャートのようにジグザグに動きます。これを値動きと言いますが、値動きは需要と供給でも説明がつきます。
- ビックカメラで3万円のカメラが販売されていますが、人気がなくて売れません。店長は在庫を残したくないので値下げして売りました
- 1950年代に20ドルで売られていたジーンズが未使用で発見された。欲しいマニアが多い、20,000ドルで販売したら草彅剛が購入した
- スーパーの卵。需要と供給のバランスは取れていて、いつも200円前後で購入できる
値段は相場が決めます。決まり方はさまざまですが、上記のように需要と供給のバランスの良い価格帯に落ち着いていきます。
- 基軸通貨と為替価格が決まる理由
- FXは他の外貨取引と違い、往復取引させないといけない
- 日本人のポジションが危険にさらされている理由
- リスクを回避する方法
はじめに世界のお金と価格が決まる理由
世界の基軸通貨はアメリカドルです。基軸通貨とは世界の通貨の基準になるもので、①経済的に主導的な国であること、②通貨の値動きが安定している、③流通量が豊富であることが条件になっています。
ちなみに世界の通貨のシェアは下記のようになっています。データは2016年4月のものと少し古いですが、今は中国元が増えているかもしれません。
世界では貿易が盛んに行われています。日本から自動車を輸出して米ドルで支払われたり、中国から製品を購入して日本円で購入したりと、いろいろなケースがあります。
支払いについては米ドルが利用されるケースが多いです。例えば中東や、南アメリカだと自国通貨より米ドルで支払って欲しいという国もあるくらいです。それほど米ドルは世界から信用されている通貨なのです。
ここで必要になるのが相場(値段)です。米ドルに対して日本円はいくらか?という部分です。通貨の価格は市場に流通しているほど高くなります。つまり買われれば上がり、売られれば下がるのです。
つまり売買が盛んになると為替レートは元気よく変動します。
FXの売買は少し違う
海外旅行に行くときに日本円を外貨に両替しますが、両替は1回の取引で終了します。外国企業と商取引をした場合も同じで、日本円をドルなどに交換して支払ったら取引完了です。
FXが通常の外貨取引と違うところは、往復取引で1回の取引が完了する点です。
- 米ドルを売ったら買い戻して1回の取引が終了
- ユーロを買ったら売り戻して1回の取引が終了
例えば、米ドルを買ったら、決済するまで市場にレバレッジをかけたままのお金を流した状態になっているのです。レバレッジをかけた米ドルを買っているので米ドルの価格が上がります。
含み益が出ているときに自発的に決済できるのが一番良いですが、FXの場合、証拠金が足りなくなると強制決済(ロスカット)されるときもポジションと逆の注文が執行されます。
ミセスワタナベと日本人のポジション
日本ではスワップ取引が人気です。過去には米ドル、豪ドル、ポンド円、NYランド円と続き、トルコリラ円、メキシコペソ円と高金利通貨を保有して金利を受け取る取引はいつも人気があります。
成功者の池辺雪子さん(専業主婦)がFXで4億円を脱税した事件が過去にありました。池辺さんは米ドルのロングをキープしていただけです。(本人の書籍では面白い後日談も書いてあるので興味がある方は購入してみてください。)
人の成功には続きたいものです。相場は難しいけど、外貨預金のようにお金を預けるだけで高金利を得られるならマネしたいという人がこぞってFXを始めています。
このようにスワップ金利狙いで高金利通貨を買う日本人を欧米では『ミセスワタナベ』と呼んでいます。
欧米ではワタナベという名字は発音しやすく、結構知られている名字らしいです。本当はイケベなんですが、ワタナベになったようです。
先ほど、FX取引では外貨を買えば価格が上がるという説明をしました。例えば、日本人が集まってトルコリラを買えば、トルコリラの価格は上がっていくという理屈がご理解いただけると思います。
日本人のポジションは常に狙われている
為替市場には多くのプレイヤーがいます。私たち個人投資家もいますし、銀行関係、貿易関係、保険にファンド、国も絡んできます。
問題なのがファンドです。彼らは常に成績を求められています。通常はドルやユーロ、ポンドをトレードしていますが、おいしい取引があれば巨額の資金で利益を狙ってきます。
狙うのが、買いポジションが貯まっている高金利通貨です。FXは買った後に買い戻す(売り)必要があることは説明しました。買えば価格は上がり、買い戻せば価格は下がります。
つまり、買いポジションが貯まっている通貨に大量の売り注文をぶつけて、高金利通貨のレートを下げるのです。
ミセスワタナベのロスカット地点を予想して、ロスカット地点まで価格を下げれば、ロスカット(売り)が売りを呼び暴落を招かせるのです。
マクロファンドが気に入っている取引方法の1つです。
アナリストは高金利通貨が下落すると、それらしい理由をレポートで説明しますが、実際にはバッドニュースのファンダメンタルズに合わせてファンドが売りを浴びせています。
この理屈を理解できていないスワップトレーダーたちは何年経ってもロスカットを繰り返してしまうのです。
弱肉強食のように感じますが、ファンドが高金利通貨を狙うのは普通のことです。例えば、釣りならよく釣れるポイントを探してリールを投げることは普通です。
漁師も魚群探知機で魚がいる場所に船を移動して網を張ります。ライオンも狩りをするときは水飲み場に草食動物が来るのを待ち構えて、獲物が来たら走り出します。走り回って獲物を捕るライオンはいないと思います。
タクシー運転手も人の多い駅で待ったり、終電を逃した人がいそうな繁華街を回ってお客さんになりそうな人を探しています。
このような事情があるので、スワップ取引を行う際は相手の行動を予想したポジション取りをする必要があります。
FX初心者は資金量に応じたポジション取りを考えよう
FXを始めるとき『稼ぎたい』という気持ちが先行しますが、画面の向こうにも人がいて、自分のお金が他人に狙われているということを理解しておく必要があります。
FXをやっている人の共通の目的は稼ぎたいということです。あなたが稼ぎたいと思っている一方、画面の向こうの人も稼ぎたいと思っています。
簡単にレースから脱落しないためには、資金量に応じたポジションを持てばロスカットは免れます。資産運用ではじめたはずのFXも、目の前の欲に駆られると、実力以上のレバレッジで取引してしまうこともあります。
FXのレバレッジについてはこちらの記事も併せて参考にしてください。
参考:【神解説】FXのレバレッジを簡単解説!推奨証拠金とロスカットの関係