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FXを始めると証券会社などのHPやFX関連の情報サイトを見ていると、毎月の始め頃に『今日は雇用統計!』『月1回のチャンス』『雇用統計セミナー実施』というような宣伝文句や記事を見る事が多くなります。
雇用統計って一体何?と思った方もいるかもしれません。私もFXを始めてから知った経済指標ですし、FXと雇用統計は切っても切れない関係にあります。
今回この記事では雇用時計とはなにか?という点や、雇用統計時の業者選び、雇用統計との正しい付き合い方を中心に解説いたします。
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雇用統計とはなにか?
雇用統計とは、経済指標と呼ばれるものの一つです。雇用統計自体は全部で10数項目からなる指標です。
全体的な内容はアメリカの雇用者数の情勢を発表するもので、先月に就業した人の数や失業した人の数などを発表します。
その中でも特にFXを取引する人に注目されるのが、非農業部門雇用者数と呼ばれるものです。
これは米労働省法務統計局が発表するもので、農業を除いた産業部門に所属する事業所の給与支払い帳簿を元に作成された数値のことです。
なお、この数字には農業に従事している人や自営業者は含みません。
対象の事業者数は40万社以上に昇ります。
アメリカの雇用統計は毎月第1金曜日の午後9時30分に発表(冬時間は午後10時30分)されます。
簡単に言うとアメリカの失業率です。
なぜアメリカの雇用統計が注目されるのか?
ではなぜ雇用統計、それも非農業部門雇用者数が注目されるのでしょうか?アメリカのGDPの70%が個人消費と言われています。日本人のような貯金民族ではなく、幸せのために借金してでも自動車や自宅を買いたいと考えている人が多いのです。
個人消費を下支えするために、仕事をしていないといけません。つまりGDPの根幹が雇用のため、アメリカの雇用統計は重要なのです。そして、アメリカの経済は世界を動かしています。
非農業部門雇用者数が良ければ、アメリカの景気は今後もよくなる事が予想されるので、ドルの価格は上昇することが多いです。
一方非農業部門雇用者数が悪ければ、アメリカの景気は悪くなるかもしれないという疑念が広がり、ドルの価格は下落することが多いのです。
経済指標の中で一番注目されるのが雇用統計なんです。
雇用統計の良い悪いってどうやって判断するの?
でもFXトレーダーは雇用統計の数字の良し悪しってどう判断するの?という疑問が湧いてきませんか?
実は雇用統計の数字の良し悪しを図る判断基準は2つあります。
非農業部門雇用者数の数値に注目!
1つ目は、非農業部門雇用者数が20万人前後よりも上の数値が出るかという点です。景気の良い時というのは、非農業部門雇用社数は概ね10万人台後半から20万人台後半と幅はありますが、概ね20万人前後の数字になります。
ところが、景気の悪い時というのは、非農業部門雇用者数が10万人台前半〜ひどい時にはマイナスの数値が出る時もあります。その証拠に2007年のBNPパリパショックから2011年頃までは、数値が良くても10万人を切ることが多く、ほとんどマイナスの数値でした。
ちなみに最近10年程度で一番数字が悪かったのは、2009年5月発表のマイナス69.9万人という数字でした。このように雇用統計の非農業部門雇用者数は景気を表す指標としてFXだけでなく、株など他の市場にも多大な影響を与える数値なのです。
予想よりも高いのか?低いのかに注目!
そして、2つめの判断基準は、非農業部門雇用者数の数値が、市場関係者が予想した数字よりも良いのか悪いのかという点です。
たとえ、10万人を切るような悪い数字でも、市場関係者の予想をはるかに上回っていれば、サプライズと受け止められ、ドルの価格は上昇します。
逆に2017年や2018年などのようにアメリカの景気が良くても、市場関係者の予想を下回るような数字が出れば、もちろんドル価格は暴落することもあります。
初心者は雇用統計時にポジションを持つのは禁止!
さて、ここまで雇用統計について話してきたことを聞いた人の中にはこんなことを思う人もいるかもしれません。
『こんなにドルの価格が上がったり下がったりするのなら、雇用統計時にトレードすればとても儲かるのではないか』と。結論から言うと、そんなにFXの世界は甘くありません。
確かに、雇用統計前にドル円などのポジションを持って、発表後に思惑通りの方向へいけば儲かる可能性もあります。
しかし、逆に思惑とは反対の方向に行くとどうなるでしょうか?もちろん、大損しますよね?
また、中には、雇用統計の発表を待ち、その数字を確かめたり、チャートの動きが一方向に向かったらトレードすればいいじゃないかと考える人もいるかもしれません。
例えば、雇用統計の数値が良くてドル円の価格が上がる事を確認して買いポジションを持つことは可能です。
しかし、それはある程度熟練したトレーダーでないと厳しいです。
なぜなら雇用統計の数値が良くても、必ずしもドル円の価格がしばらく上がり続けるわけではないからです。
例えば雇用統計では以下のようなケースが多々起こります。
非農業者部門雇用者数の数値が良かったので、最初の5分は上がり続けていた。
しかし、一旦一気に雇用統計発表前の水準まで価格が下落し、その後、長い時間上昇し続けるケース
本当に一瞬(数秒から数十秒)だけドル円の価格が高くなった。
しかし、突然大暴落が起き、発表前の水準を大きく下回る価格となるケース
雇用統計の難しいところは、短い時間で乱高下するところです。一方向に動くならOCOでもかけておけば良いわけですから、誰でも取れる相場です。瞬間の乱高下と、スプレッドがアホみたいに開くことが雇用統計トレードを難しくしています。
FX初心者の方は、ある程度価格の流れがゆるやかな上昇にはついていけると思いますが、突然の暴落が起きるとパニックになります。
考えてみてください。それまで数万円の含み益があったのに、一瞬でゼロになったり、逆に数万円の含み損を抱える心境を。
以上のことからFX初心者のかたは特に雇用統計発表前後のトレードは控えなければなりません。ちなみにFX会社は手数料をたくさん儲けるためには、たくさん取引をしてもらわないといけないので、雇用統計が近くなるとお祭りが始まるような空気になるのです。
雇用統計時にはスプレッドが開く!?
FXで大儲けを狙う人はデイトレードやスキャルピングをする人が多いです。
ただしこれらのトレード方法は、注文から決済までの時間が短いため1回の取引で得られる利益は、数pip〜数10pips狙えれば上等です。
そのためスプレッドなどの手数料が少ない状態で取引をしないと手数料負けという事も起こります。そして、大きく利益が取れる時は値動きが激しい時です。
しかし、雇用統計に限らず値動きが激しい時というのは、どの業者を使ってもスプレッドが広がる事が多いのです。
つまり、雇用統計時に大きく利益を取っても、タイミングによってはスプレッドの広がりで利益が少なくなる事もよくあるのです。
FX会社によっては、指標発表前にスタンバイしてスプレッドを広げている業者があることも事実です。
実際に各FX会社は公式サイト内で、ドル円のスプレッドが0.2pipsと提示している事が多いのです。しかし、突発的な動きになった時は、スプレッドが広がってしまい、掲示されているスプレッドで取引できなくなるのです。
そしてこのようなデイトレードやスキャルピングという方法は、一瞬の決断力が求められるのであまり初心者向けではありません。
私は好き好んでポジションを持ちませんね。インターバンク自体がスプレッド広げてるし、思っているほど取れないし、リスクの方が大きいと思っています。
雇用統計を勝ち抜くための方法は?
私は個人的にはアメリカの雇用統計を狙ったトレードはおすすめしませんが、昔から人気のある取引でこれからも雇用統計の渦に飲まれていく人は多いのではないかと思っています。
はじめに注意したいのは雇用統計に限らず、指標の良し悪しでトレードする人がいますが、そのやり方は博打に近くなります。
指標が良いのか悪いのかは、その時になってみないとわかりません。そして、仮に指標の良し悪しを当てても、必ず思惑通りに動かないのがFXです。
なぜならFXの価格を動かすのは、指標の結果そのものではなく、指標の結果をみた市場参加者の感情だからです。
私たちFXトレーダーも含む市場参加者が、その指標が良かったからドル円の価格が上がるのではありません。
その指標が良かったことで、これから景気が良くなるだろうという感情があるからドル円の価格は上がるのです。
では雇用統計でどのように取引をすれば良いのか?
まず前提条件として、指標の予想でトレードするのではなく、チャートをみて取引することをおすすめします。
なぜならチャートにはトレードしている人の思惑など全て含めた結果が載っている鏡のような存在だからです。
そして、FX初心者の方は、まずは雇用統計にいきなり参加するのではなく、雇用統計発表後の相場の流れを見ることです。
指標が予想より良かったが、その通り上がったのか?それとも最初は上がったけど、すぐに元に戻ってきて、また上がっていくのかというように流れを見るのです。
ちなみに、雇用統計発表後そのまま一気に同じ方向に行くことは多くはありません。
一旦元の水準ぐらいまで戻して再び上がるというようなケースも多くあります。
FXにある程度慣れているプレーヤーは、発表直後の最初の動きにはついていかず、2回目の流れに乗っていく人が多いです。
もう少し噛み砕いて説明すると、ドル円の価格が上がった→下がってきた→再び上がり始めたところで買い注文という形です。
私も雇用統計時にトレードをするならこの方法をおすすめします。その方がリスクが減ります。
最初の動きに飛び乗ると、一瞬で価格が上下しますし、高い価格で約定してしまうと、大損する可能性も高くなります。
本当に指標が良い結果でドル円が上がる時は、1時間、2時間とほぼ同じ方向に上がっていくことも珍しくないので、あわてる必要はないのです。
雇用統計はお祭り!まとめ
半年くらい実際に雇用統計時にチャートと、にらめっこをしてみましょう。どのような動きをするか体感できます。
- 上下に30pipsくらい動いたけど、ほぼ無反応
- 上に100pips上げてそのままトレンドを形成した
- 上に100pips上げたあと急降下。結局価格は同じ位置に戻った
- 少しずつ上昇、23時になったらさらに上昇を継続
- 大暴落。100pips下げて、23時にさらに下げた。週明けの東京市場でも下げトレンド継続
- 大きく下げた後に価格を戻した
マーケットはそのときの市場の心理で動くので雇用統計で取ることの方が難しいと思っています。私はできることなら雇用統計を避けたいですし、ポジションを決済することも多いです。
しかし、中には雇用統計時のトレードが得意という人もいるでしょうし、雇用統計しかやらないという人もいるかもしれません。
トレード方法は人それぞれです。損をしないやり方を構築してください。ただ、スプレッドが狭いFX業者、約定がサクサクできる会社を選択することはマストです。
私の最近のお気に入りは、みんなのFXです。スプレッドは狭いし、たまにキャンペーンもやってます。先日1万円もらいました。
みんFのキャッシュバックが入ったのかな?いきなり口座に入金になってるからわからない。
けど、多分そうっぽい。ありがとう1万円。 pic.twitter.com/Ip6w9QJx6R
— 川瀬遼太郎 (@fxtraderkawase) August 1, 2020